論 考

手堅くやるべし

 ドイツは感染者113,296人で死亡が2,349人(致死率2%)である。2003年のSARS以来、ウイルス対策を着々進めてきた効果が出た。とりわけ検査が手堅くかつ広範におこなわれている。日本のウイルス対策はどうも拱手傍観的で歯切れがよろしくない。

 いまやるべきことを整理すれば、――① 感染増大を止める ② 医療体制を整える ③ 検査・感染経路追跡・検疫体制を整える ④ 生活できない人が出ないように手当する――に尽きる。

 しかし、①は、行政内部で確固たる合意が形成されず、②は、医療崩壊という恫喝に使われるだけで、いかなる手当をしようとしているのか不明、③は、依然として感染経路不明という言葉でお終い、検査はまだ1日1万件に達していない。④は、ごちゃごちゃと振り出すが明快さを欠いている。

 自分たちの地位に連綿とすることについては、政治家・官僚ともに粘り強いが、一朝事あるときに、この程度なのか。世間の評価は厳しい。最長内閣の看板が泣いている。人々の我慢に期待をかけるだけでは政治にならない。