論 考

机の虫の師走

 年の瀬、議員の逮捕や郵政グループ3社長の辞任や、辺野古埋め立てがさらに10年以上かかるなどのニュースが新聞紙面をにぎわし、まことにせわしない。師走の名にふさわしいことではある。

 考えてみれば、通年、明るいニュースにお目にかかることは珍しい。わたしは、スポーツ欄や芸能欄にあまり興味がないので、かなり膨大なスペースがいつも役に立たず、もったいない。それで社会勉強のつもりで読むのであるが、やはり自分の趣味に合わないので長続きしない。

 新聞の読者投稿欄は面白い。新聞記事を読んでオーム返しのような主張もあるが、20人に1人くらいは寸鉄人を刺すような内容にお目にかかる。これが楽しみであり嬉しい。

 テレビは見ない。以前、テレビを見ていたころは、なんとも騒々しいのにくたびれ果てた。だから最近の精神状態は極めて安定している。

 子ども時代にはラジオだけだったから、いまにして、本当によかったと妙に納得する。いま、ときどきラジオを聞くけれど、早朝から9時過ぎまでもっぱらクラシックを聴きつつ机に向かっている。

 この四半世紀、本は手放したことがない。読むだけで頭に入らないので、読書はノートと万年筆が必需品である。メモがしこたま増えていく。増えても直接的に頭がよくなるわけではないのが極めて残念だが、仕方がない。

 批判的に読むというのが読書的訓練である。自分流読書術にすぎないけれども、休まず焦らず緩まずに継続するつもりだ。