論 考

だらけた政治家と教育

 第200臨時国会が閉幕した。世間では、仕事をしたのかという疑問が呈されているのではないか。目立ったのは「桜を見る会」であったが、それもまともな答弁がなく、うやむやのままである。

 要するに、数の力を頼って、審議をごまかし、時間切れで逃げて、新年になれば、どなた様も忘れてくださるだろうという、泥臭い手法だ。

 与党は、野党は政策論議をしないのかという批判でごまかそうとするが、本末転倒である。政治家、まして首相たるもの、高潔な人格者たれとまではいわないが、ルールを守って、議会審議が盛んになるようにする程度の見識は必要だ。もはや賞味期間切れというしかない。

 フィンランドでは社会民主党のサンナ・マリン氏が首相に就任した。34歳の女性である。すでに同国では女性首相は3人目。子どもの教育では世界的に評価が高い。彼女は「年齢や性別について考えたこともない」と語った。フィンランドのお国柄だからこそ光っている。

 34歳の首相が登場するようなお国柄が、わが国のような脂ぎった策士ばり政治と異なるのは疑いがない。

 教育といえば、わが国はPISAのランクが落ちたのどうのと騒動するが、たとえば政治家が刷新されるような国柄であれば、子どもの成績はもっと伸びるのではあるまいか。