論 考

考えないから開発力が落ちる

 地方議会選挙だから当然かもしれないが、日本経済の現状と先行きについて、候補者のみなさんはほとんど関心がないらしい。

 ざっと30年にわたって緩和的金融政策がとられたが、依然として需要が弱い。デフレを脱却したかどうか、相変わらず微妙だ。

 企業内部留保が大きい。低賃金、企業の積極的投資がない。いまや、大企業は江戸時代の大店札差みたいなもので、地力で経済活力を向上させられない。

 10年にわたる黒田日銀の「円安政策」で利益は上がっているが、円安で国際競争力が強いはずだが、自動車以外に見るべきものがない。

 製造業の開発力・技術力が相当劣化しているのではないか。その大本は、もっと大きな視野、問題意識で社会を見つめないことではないか。

 国策で半導体事業を強化する狙いだ。ただし相当な技術者不足が指摘されている。極端にいえば、かりに資金投入しても、それを十分に使いこないマンパワーがないのである。

 東日本大震災当時、「がんばろう、日本」コールが盛んだった。被災地はたしかに大変な苦労をされた。しかし、その他日本はがんばろう念仏を唱えつつ惰眠を貪ってきたみたいだ。

 日本全国、過疎地・過疎現象だらけである。理屈をいえば、これは大きな投資機会が隠れている。

 政治に過疎地対策を期待してもダメだろう。本気で継続してやる人が少ない。また、1人や2人の奮起では長続きしない。企業で働く人々にも、もっと過疎問題を考えてほしい。