論 考

お手上げ

 コロナ再拡大は、大方の予想通り。政府の口先操作では効果がない。頼れるものは己のみというわけで、これが本当の自粛になるか。それ以外はお手上げだ。

 日銀黒田総裁の弁。国債買い入れは財政ファイナンスのためではないかという質問に、物価目標のためであって、財政ファイナンスではない。財政ファイナンスになっている事実を指摘した質問に対して、意図が違うと答える。黒田氏の意図的すれ違い答弁。

 では、就任8年にもなるが物価2%は相変わらず未達ではないかと質問すると、2%達成には時間がかかる、現在の緩和に効果がないということではない、とまるで他人事だ。盛大に鳴り物入りで一挙2%達成の幻想をばらまいたのは自分自身であったが、すっかり忘れてしまったらしい。要するに、お手上げ。

 ミャンマー情勢が深刻だ。バイデン氏は「とんでもないことだ」と発言したが、放置すればこうなることは事前に十分にわかっていた。

 わたしの案は、国軍とNLD政権の交渉のテーブルを用意すること、即刻国軍の武器使用を停止させる国連決議に、米中はじめ主要国がすべて参加する。これなら内政干渉とは違って仲裁だから、中・ロも反対しにくい。急がねば犠牲者が増え、内乱本格化になる。そうなればお手上げだ。

 経済制裁という手段は、問題解決に臨んでいるようにみえるが、実は何もしないのと変わらない。国軍は、そんなことは織り込み済みだ。大国が不介入を盾として静観しているかぎり国軍の暴挙は止まない。仲裁を本気でやらねばならない。