青春18きっぷから最低賃金を考えた

　この夏休み、小学校の同窓会（クラス会）を神戸でやることとなり帰省した。途中、名古屋で途中下車して友人と酒を飲むことになった。また同窓会は19日夕方からというので、その日に帰京は無理と判断し、翌20日は休暇を取って機内の神社仏閣を巡って帰ることにした。

　往路の新幹線では、名古屋で途中下車をすると旅費が数千円アップとなる（指定席だとさらに割高）ので、ほぼ30年ぶりに青春18きっぷを使っての旅となった。普通列車の旅なので「名古屋で何時間飲めるの？」とか「神社仏閣巡りなんてゆっくりできるの？」とか聞こえて来そうだが、名古屋ではしっかり4時間近く飲んだし、神社仏閣巡りも、近江今津から竹生島を経て長浜へ船で渡り、長浜の街歩きもそれなりに楽しめた。

　東京－新神戸（在来線は三ノ宮）は新幹線だと2時間47分だが、青春18きっぷだと9時間36分かかる。（利用した8月17日(金)6時30分に東京駅を出た場合）旅費も、新幹線だと片道自由席で14,160円が、青春18きっぷだと、1回当たり2,370円で済む。実のところ、青春18きっぷも金券ショップで残3回券を購入したため若干割高となったが、それでも1回当たり3千円はしないので、差はこれよりもさらに大きくなる。

　「青春18きっぷなんて疲れるでしょう？」ごもっともである。しかし、ちょっと考えていただきたい。先日答申された最低賃金、相当頑張って引き上げられたとのことだが、それでも全国加重平均で時給874円である。青春18きっぷ利用を電車に長時間座るアルバイトと考えると、当初の途中下車なしでも何とその倍近い時給1,729円（料金差÷時間差）である。

　青春18きっぷが余りにもお得なのか、最低賃金が余りにも低すぎるのか。いずれにしても、新幹線で帰る旅費を稼ぐために1日余分にアルバイトするというような愚は避けたい、と思うものである。

【青春18きっぷ】全国のＪＲ線の普通列車が1回あたり2,370円で1日乗り放題