月刊ライフビジョン | off Duty

その感覚は正常か、異常か?

曽野緋暮子

 7月初旬、東京在住の友人が帰省、数名でランチをした。彼はコロナも落ち着いた頃だからと夜の居酒屋を希望していたようだが、田舎在住の私達には夜の居酒屋呑みはまだハードルが高い。コロナ感染も増えているという話もあるし、やはり3年間の居酒屋ブランクは大きい。(笑)

 公共交通機関のバスが1日5便しかなく駅に出る足がないという彼の帰省宅に車で迎えに行った。当然のことながら私はマスクをしていた。車に乗るなり、「こっちでは皆マスクしているからびっくりした。昨日行ったスーパーでは入り口に消毒液が設置されているし、従業員も客もマスクしているのってイジョーに感じた。」と宣う。病院は当然のことながら、買い物、ジム、宅急便&郵便の受け取りでもマスクをしている私にはフツーのことだから、イジョーって言われてもなあ? 彼はバッグをガサゴソして「あ、1枚マスクがあった。」と言いつつマスクを着けた。

 ランチのお店に駐車場がないのでJRで行く。JRの駅構内、ホームでもマスク姿がフツーだ。彼は珍しいことのようにスマホでパチリをしていた。車内ではマスクをしていない人が2~3人程なので「東京では考えられない。」と【異常事態】にしきりと感心していた。彼から見れば、夜の居酒屋会食を敬遠することも【異常事態】なのだろうなあ。

 お店では入り口に消毒液が用意してある。皆マスク姿で集合。でも、部屋ではマスクを外した。以前は部屋に入っても料理を口にする時以外はマスクをしていたので大きな変化だと思う。

 何年振りかのお店。接客の人が何となく素人っぽい。ちょっと質問してもしどろもどろの返答でこちらが意地悪しているかのようで居心地が悪い。飲食業ではコロナ禍で従業員が辞めてしまい、再度の人集めに苦労しているニュースを聞くが、このお店もそうなのかなあ?

 「ランチのお値段を上げさせて貰っています。」とシレっと言われた。もともと私達にとっての贅沢ランチ価格なのに、いきなり約400円の値上げは厳しい。おまけにメインのステーキが小振りになっている。コロナだけの影響ではなく、ウクライナ侵攻、鶏インフルエンザ、自然災害等々価格高騰の要因は目白押しなのは理解するが、悲しいなあ。

 ランチでの話題はいつもの年金と健康の話だけでなく、今回はパワハラの話で盛り上がった。今の職場で私達のように大きな声で歯に衣着せずズバズバ言っていたら平穏に定年を迎えられずパワハラで首にならないまでも辞めざるを得なかったかもなあ。定年延長しないでサッサと辞めていて良かった。でも、子どもの頃から社会人になってからもずっと注意されることなく、叱られることもなく過ごすことが本当に良いことなのかなあ? でも、それって【昭和の考え】と片付けられるのかな?

 7月下旬になり昨年以上の酷暑だ。連日スマホが熱中症アラートを表示し、家中の窓を全開しても室内温度が37℃、38℃を表示する。しかし、コロナは地味に増えている。念のため6回目のコロナワクチンを接種した。体が慣れてきたのか、腕がちょっと腫れたくらいで副作用はなかった。ちょっと安心だ。それにしても不織布マスクは暑い。買い物、ジム、宅配受け取りでのマスクは必須だが、マイカーの車内、道路の掃き掃除、ゴミ出しはマスクなしにした。このタイミングでマスクを外そうかと思ったが、友人から「高齢者のコロナ感染者が増えていて医療機関が大変らしい。」と耳打ちされたのでやっぱりマスクは外せない。やっぱりコロナは手強いぞ!!!