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デジタル戦線敗走加速の異状あり

司 高志

 さすがだ! 鬼才キシダは、マイナカードを第二のデジタル敗戦にしてはならない、と言ったそうだ。凡才の筆者には鬼才が何を言っているのか、さっぱりわからなかったが、どうやら、第一のデジタル敗戦は、コロナ対策に失敗したことらしい。

 さっそく敗戦の将は国民に責任転嫁だ。何を思っているのかわからないが、アヘ、スカ、キシダ、3人の総理こそがコロナ対策に失敗しデジタル敗戦した「敗戦の将」に他ならない。国民が足を引っ張ったということは、1ミリもない。

 アヘ、スカ、キシダは、「コロナはそのうち収まるだろうという楽観論」、「国民のためにビタ一文使うもんかというドケチ根性論」によって、自ら転んで敗戦したまでだ。

 敗戦の将である総理がまずは反省しないといけない。敗戦の将のはずなのに、なぜか「自分は悪くない」「悪いのは国民だ」というように導こうとしている。

 これに一枚加わっているのが、デジタル将の「こうの人」だ。こうの人はなぜか、自分がデジタルに一番詳しいと思っている。これを、「勘違い」とか「思い込み」という。デジタル将のトンデモ作戦行動を二つほど紹介しておく。

 その1「ハンコは廃止だ」指令 

 我が国はどういうわけか書類にハンコを押すのが好きである。三文判でもハンコを押してないと「押印しろ」と言われる。ハンコの使い方として、そのハンコが特殊であるなら、その所有者、使用者が特定できようかというものだが、何しろ三文判は百均にも売っている大量生産品だから、個人を特定することは難しい。でもなぜか押印はついて回る。そこで、デジタル将は、「ハンコは廃止しろ」と指令を出した。

 現場では、「めんどくさいな」と思ったものの、言うことを聞かないわけにはいかないので、ハンコは使用を禁止された。で、どうなったかって? 答えは簡単だ。ハンコが手書きのサインに変わっただけで一件落着。さすが、デジタル将様の突破力だ。

 その2 「FAXも廃止しろ」指令 

 このデジタルの時代にアナログFAXだと! 即刻廃止じゃ、との指令が下ったが、FAXもいいところはある。今でもそうだと思うがFAXは、災害時や緊急時に一斉送信用としてまだ使われている。災害時や緊急時には職場で担当者が出勤できてないこともある。課の人が誰もいないなんてことも起こりうる。FAXならば、トレイをみればFAXが着信していることがわかる。中身を読んで分からなくても人に見せることができる。担当課の人が出勤できなくてもFAXなら対処できる可能性があるのだ。メールと併用していれば、災害時でもメールかFAXか、どちらかが生き残っている可能性もある。で、この件がどうなったかって? FAXは生き残った。デジタル将、デジタル敗戦確定。

 今回紹介した二つの事例から、デジタル将「こうの人」の分析をしてみると、自分が一番詳しいと思っているから、「アナログをぶっこわ~す」、「デジタルに移行じゃ~」という単純思考により、「〇〇攻略」とか「突破」とか指令を出すが浅い考えで、どうして現状のようなことになっているのかを理解せず、「突撃」と言っているだけである。

 話しはマイナカードに戻す。筆者も自分のマイナポータルを確認しようと思って、アクセスしてみると、「なにぃ、カードリーダーだと!」、アクセスにはカードリーダーかスマホが必要だった。パソコンだけではログインできないのである。パソコンは、デジタルじゃなかったのか?

 こんなことがあって病院に行ったところ、受付にはカードリーダーがあるのではないか。なるほど。で、次に薬局に行くと「ムムッ、カードリーダーがない」。これは、日本のすべての病院、すべての薬局にカードリーダーや通信回線を買わせるつもりか? 利権じゃ、利権じゃ、笑いが止まらぬのではないかな?

 それに加えて、マイナンバーに紐づけされたビッグデータの使用権販売じゃ~。事故が起こっても、デジタル庁やデジタル将は責任を持たんぞ。事故責任じゃ、自己責任じゃ、というわけで、是が非でもデータ使用権販売じゃ~。多分これが一番強い動機だろう。

 ここで、筆者が一つ、真のデジタル化に近づく提案をしよう。

 マイナンバーカードがあれば、オンライン投票ができるようにしてみればいかがかな。真のデジタル化ではないかと思うがな。でもできないよね、与党の皆さんには。恐ろしすぎて…