月刊ライフビジョン | off Duty

便利は危険、キケンはお得?

曽野緋暮子

 3月のJRダイヤ改正で発行される小冊子の時刻表を毎年、JRの最寄り駅でもらっていた。コロナの影響で駅に行くことが激減しているが、今年も3月中旬に窓口に行き、「新しい時刻表をください」と言うと、今年から印刷を止めたとのこと。在来線の1枚物の時刻表も同様で、新幹線の薄い時刻表だけがあった。数日前ニュースで航空会社が紙の運行表を廃止したと報じていたが、JRも廃止するとは思わなかった。

 JRの乗車率が悪くなったとは言え、田舎で車がない人はJRに乗るしかない。時刻をネットで調べる人が多いから不要と言う判断なのか。私は新幹線の乗り継ぎはネットで調べるが、在来線を利用する時は紙の時刻表を使う。次々と探したり元に戻ったりするには、ネット検索より使い勝手が良いと思っている。これからはスマホを持たない人は、駅を降りた時に帰りの時間を確認してメモでも取らなきゃいけないなあ。

 デパートでの買い物には、デパート専用のクレジットカードを使っている。若い頃の私は現金主義だったが、仕事で応対していたデパートの営業マンからノルマ達成への協力を懇願されて作った。そのカードを使うと駐車料金が格安になる等メリットもあり使い続けている。

 先日、クレジットカードの毎月発行される取引明細表が1回に付き110円必要となるとの通知が来た。明細はネットで見られるので手続きをしてほしいという。紙の明細表が来なくなるとチェックの習慣がなくなるのは公共料金等で体験済みだが、毎月110円払い続けるのももったいないので手続きした。

 以前から続けているボランティア団体の交流会のお知らせが来た。この時期なのでzoomでの開催だ。今回は発言しなくてはいけない。zoom画面で自分がどんな様子で映るのか? 発言がどんな感じで伝わるのか? 友人達は皆リタイアしているのでzoomが日常化している知人に質問し、ネットで情報を集める。

 パソコンカメラの位置調整、背景、家の中でWi-Fi映りの良い背景、服装、顔の表情等々。安易に「参加します」「発言します」なんて言わなきゃ良かったと後悔しつつ、一人リハーサル。自分のパソコンとスマホでzoomの確認をするが、いまいちピンとこないので、主催者にお試しの時間を取ってもらって確認した。しかし、本番ではチャットで質問しても送信の仕方がわからなかったり、他の人に話しかける方法がわからなかったり、右往左往の2時間だった。

 そんな時にLINEの情報漏洩が大きなニュースとなった。LINEが登場した時、国外のアプリだから個人情報を全て国外のサーバーに取り込まれるから危険だと言う話だった。その話を聞いてLINEを使わなかったが、行政が使い始めたので個人情報は個人で守れないと割り切って使うことにした。zoomも登場した時はセキュリティが甘いから情報がダダ漏れだと言われていた。今は企業もウエビナー等にバンバン使っている。個人情報は漏れて当たり前の覚悟がないとネット関連は使えないかなと思う。何をどう言っても「人との対面」、「紙での運用」の時代には戻らないだろう。と言っても銀行口座からお金が消えることは困るけど。。。個人的にはこのニュースが出ることに驚いている。