論 考

予算は杜撰

 新しい分野への挑戦のための基金が、予算は大きいが未使用だという記事が朝日新聞(10/12)に出た。

 その1つ、経済安全保障重要技術育成基金なるもの。2021年度と22年度で合計5千億円手当したのだが、ただいま使ったのは5億6600万円。大事な虎の子だから軽々しくは使わない、のではない。目下使ったのは国立研究開発法人の管理費(人件費)だけらしい。

 予算折衝段階で、議員さまがワイワイと積み上げを要求したのだが、なんのことはない、研究開発の体制が整っていないから、使いようがないわけだ。

 だいたい、研究開発や技術開発なるものは、おカネがなければできないが、おカネがあれば開発が進むというものではない。そんなことがわからない議員はいないだろう。

 こんな無茶な現実が発生するのは、議員諸氏が研究開発の中身など勉強せずに、ただ、カネトリ虫化しているからだ。

 そもそも自分のおカネではない。財政危機というのに、打ち出の小槌からおカネは降って湧くと錯覚している。いや、無茶だとわかっていて、無理難題を押し通すのである。こういう手合いを確信犯という。

 杜撰な予算が普通になった。常識として、こんな議員は退場させるしかない。