論 考

バフェット氏の慧眼

 チャットGPTが大きな話題である。

 素人であっても、考える価値と必要性は十分ある。刺激的なテーマで、考えること自体も面白い。近々、考えたことを文章にまとめる。

 投資家バフェット氏は、AI投資には距離を置いているそうだ。理由は、(AIの現状と未来について)誰も「わからない」からだという。

 そして、次の言葉にはビリビリした。いわく、「わたしの経験は、わたしがなにも知らないことを教えている」

 これはソクラテスである。ソクラテスいわく、「わたしが賢明でないことはよく知っている。しかし、少なくとも(なにごとも)知らぬことを知っている」

 煙に巻いたという見方もあろうが、バフェット氏は投機の神様というより、よくよくものごとを考える人なのだろう。

 東大がチャットGPTに対する見解を出した。いわく、活用を促し、変化を先取りするのだそうだ。そして、(技術が)ルビコンを渡ってしまったかもしれないと文学的表現もするのだが、ちょっとミーハー的反応じゃないかな。

 教養教育を尊重する東大が、「AIと人間」の哲学的検討をしたうえでの見解にしては、寂しすぎる。

 なおさらバフェット氏のコメントが輝いている。