論 考

統一地方選前半戦の印象

 マクロン氏は、年金支給年齢引き上げを巡って支持基盤の人も含めて大反発を招いている。マクロン氏は、中道左派から中道右派の支持を受けているとされているが、この人々にすれば選挙での投票先がなくなって、極右に流れる可能性を指摘する分析もある。

 日本の場合も、統一地方選前半の結果をみると、人々の関心は高まらず、投票率はさえない。これは、単なるアパシーだけではなく、自分が求める投票先が見当たらないからだろう。

 朝日新聞意識調査の結果を見ると、岸田内閣の支持率は低迷、大衆受けを狙った少子化対策は、財源問題も大きく影響して不評である。政策構築の粗雑さが不信感を招いている。

 立憲民主の主張も目立たず、相変わらず万年不振イメージを克服できない。いわゆるリベラル層を惹きつける党がない。

 どうやら、従来自民党支持の不満層と、リベラル層の一部が維新へ吸引される傾向にある。このままいけば後半戦も同じだろう。

 ただし、維新はポピュリズム度合いが強い。自民補完勢力を脱するだけのアイデンティティを育てられるか。

 選挙戦だけでは読み切れないが、維新と立憲民主との連係プレーは無理筋だ。もちろん立憲民主も、優柔不断、右顧左眄的な印象を払いのけるだけの存在感を示さねばダメだ。