論 考

政府・議会の知的怠惰

 戦争が始まると、戦争自体が目的化すると指摘し続けてきた。いまが、まさにその通りだ。プーチンの頭の中もわからないが、バイデン氏もなにを考えているのかわからない。

 勘繰れば、この際、ロシアを徹底的に貶めることを狙っているみたいだ。

 しかし、戦争が惰性的に続くと、停戦の機会を見逃す危惧を払拭できない。

 プーチンが、戦争前ウクライナのNATO加盟を止めろと言った。それを受け入れていれば膨大な破壊と殺傷はなかった。

 もちろん、けしからんのはプーチンだが、いつまでもそれだけを振り回して手を打たなければ、早晩、西側の無策が批判される。それが民主主義というものだ。

 岸田氏は、「断じて許されない戦争犯罪」だと大見得を切るが、これ、すでにだいぶ時間遅れである。

 そもそも戦争自体が犯罪である。これを忘れてはいけない。つまり、関係者は、戦争が始まれば、一刻も早く停戦させる義務がある。米欧の後塵を拝して恰好つけるだけでは、いやはやなんとも。

 議会のみなさんも、もう少し本質的な議論をなさってはいかがでしょうか。