論 考

心細い企業活力

 いろんな見解が出されているが、2022年の世界景気は期待するように好調に回復とはいかないのではないか。

 半導体、エネルギー源など供給不足もあり、インフレ傾向は間違いない。加えて、経済を外交に使うという悪しき傾向がますます目立っている。

 「経済安保」といえば、たちまち思考停止を起こしてしまう気風は危険だ。政府が補助金で自国生産を盛んにするといえば、心丈夫だという錯覚にはまりやすい。これでは先進国が途上国へ逆戻りである。

 企業において、効率性や、独自のイノベーション力が減退する危惧がある。政財界の結託が進むと、両者の腐敗が進むのはうんざりするほど体験してきたことでもある。

 さっこん、わが国では有名企業の不祥事が目立つが、たまたま目立った企業だけの話であろうか。わたしは、産業界全体を覆う沈滞ムードがおおいに心配だ。

 おりから賃金交渉の時期で、労使の話し合いが展開される。労使ともに企業活動活発化のために、組織的議論を巻き起こすべきである。