論 考

誰が脚本を書いたか

 13日、オマーン湾でタンカー2隻が攻撃をうけた問題は極めて不可解だ。

 米国ポンペオ国務長官は、「この責任はイランにあるというのが米国の見解」であると記者会見で決めつけた。しかし、具体的な証拠は1つも挙げない。

 AFPによると、その見解の理由として、

 ――情報活動と、使われた武器、作戦実行に必要な専門知識の水準、イランよる最近の類似した船舶攻撃(5/12のUAE東部沖合で4隻のタンカーに爆発物が仕掛けられた)、この地域に活動する代理集団で、これほど高度な行為をするための資源や能力をもつものは他にいないという事実に基づいている――

 文章は修飾語から腐るというが、挙げられた理由は現段階では「それらしい」修飾語に過ぎない。

 証拠が明確にならない段階で、ただちに国連安全保障理事会に提起するというのも腑に落ちない。うがった見方をすると、事態を先へ進めることを狙っているように思える。つまり、さらにイラン悪玉論を喧伝する戦略みたいだ。

 もし、(これはまったくの想像だが)そのような意図だとすると、安倍氏のイラン訪問を使って仕掛けたという話になり、安倍氏は、こと志とは違った狂言回しの役を演じさせられたことになる。

 このような想像が外れていることを切に願う。