論 考

日は沈む

 外国人技能実習制度は、1960年代、海外現地法人の社内研修制度が好評で、これを原型として93年から、海外からの実習生を日本に受け入れて報酬を支払いつつ技能研修をしてもらう方法として導入された。

 開発途上国に対して、モノづくりを通じて人材を育成し、帰国後は経済発展のために貢献してもらう。

 趣旨はまことに素晴らしい。とりわけ手前味噌にいえば、実習生はまちがいなく日本人ファンになってくださる。

 ところがだいぶ以前から、わが国の受け入れ企業(中小零細が多い)が、体裁のよい労働力調整弁として活用し、あまつさえ労働基準法の無視が当然のような働かせ方をしている。

 最低賃金は無視、賃金不払いをやる、パスポートを取り上げて逃げられないようにするなどもある。

 現在実習生は25万人くらいおられるが、1年間に6千人近くが失踪する。

 ブラック・カンパニーが当然になり、大企業が労働基準法改悪に熱心なお国柄だ。どんどん日本人の評価が落ちていく。