論 考

庭の手入れ

 イギリスのEU離脱交渉が進展して、わたしは常識的には上等だと思う。ただし、またまた文句が出るわけで、Brexitの離脱ハード路線がふにゃふにゃになったという批判が登場する。

 そもそも国民投票後、EU離脱に対する懐疑論が登場した。離脱ハード路線を掲げた連中は、いわばメイ首相に責任転嫁して知らんふりだ。

 国民投票の際に、インチキな数字を掲げたことも露見した。彼らの罪は決して軽くない。

 それは横に置くとしても、EU離脱を進めることしか選択肢がなかったわけだから、EUとの困難な交渉を期限に間に合わせなければならない。もし、しくじればイギリス経済は大混乱しかねない。

 むしろ、看板だけの離脱ハード路線よりも、EUもイギリスも極端な結果を招かないソフト路線に、実質的に転換したのだから大歓迎するべきだ。

 先の読めない政治家が内外に多すぎる。

 オバマ氏が、アメリカ国民にデモクラシーへの参加を呼びかけた。現状の問題を見過ごすことが続くと、デモクラシーは衆愚政治に堕落する。「デモクラシーは庭の手入れと同じだ」とオバマ氏は語った。

 わたしたちにとって他所事ではない。