論 考

見えない世界のものつくり

 KDDIの大規模障害について、当然ながら回線を守れとか、危機意識が甘いじゃないかという新聞の論調であるが、なんど読み直しても、記事内容からは、事故原因の特定ができない。記事を書いている記者自身が、会社発表を聞いたまま書いているわけだ。

 先日、当社ホームページのプロバイダーがシステム工事をおこなった。わがパソコンによるホームページ操作が具合悪くなり、プロバイダーとやりとりしたが、相手も原因が特定できないという。

 幸い、ホームページの面倒をみていただいているYさんが、大奮闘してくださって、見事回復したのだが、その作業は半端でなく、原因追及に延べ36時間かかった。要するに、ホームページ側が対応策を取ったわけで、プロバイダー側はなにもしてくれていない。原因を作ったにもかかわらずだ。

 自分が未熟なので偉そうなことは言えないが、ネット環境の内容は本当にどなたかがすべて理解しておられるのだろうか。たぶん、みんなで手探りしているのではないのか。

 電気通信の世界はさっぱりわからない。機械であれば、設計図をていねいに追っていけば不都合の原因は必ず特定できるが、どうも、電気通信の世界は機械とは本質的に違うみたいである。

 ものつくりの、原則に合致できているのだろうか。