論 考

気分一新

 昨日は、ひさびさ、クラシック・コンサートで、バルトークの「ピアノ協奏曲第1番」と、ブラームスの「交響曲第2番ニ長調」を聴いた。指揮は大植英次氏で、曲目も指揮者も初めてだった。

 わたしは二階席で、指揮者を斜め左下対面に見られるので、動きがすべて見られる。小柄だが活動的、伸びやかできめ細かい指揮をたっぷり堪能した。

 ピアノ協奏曲は、ピアノを打楽器のように駆使する。鍵盤を木槌で叩いているのじゃないかと思うくらい激しい。民族音楽的ハーモニーをリズムでぐんぐん牽引するという感じだ。初演は1927年、第一次と第二次世界大戦間の、暗雲を吹き飛ばしたいという、作曲者の気持ちであったか。

 交響曲第2番は、ベートーヴェンの交響曲6番「田園」と並べられる。これも力強さを感じた。事前に手持ちのブラームス交響曲第1番を聴いていたが、たしかにベートーヴェン風である。重厚・華麗かつ繊細だ。

 バルトークもブラームスもベートーヴェンを尊敬し、自分の音楽を鍛え上げたということが、よくわかる。

 まだとても音楽を解するには至らないが、少なくともおおいに気合が入った。