論 考

学習効果なし、致命的欠陥

 本日の新聞社説は、朝日「宣言一転拡大 専門知を生かす転機に」、読売「緊急事態拡大 ちぐはぐ対応で混乱を広げるな」、毎日「3道県に一転宣言発令 政府の機能不全があらわに」である。

 いずれも、関係閣僚会議を経て政府が、まん延防止を予定していた北海道・岡山・広島を緊急事態に変更したことについて書いている。

 関係閣僚会議というのは、昨年前半、議事録すら取っていないというので批判を浴びたが、そもそも機能しているのかどうか。

 今回は、政府・自治体・専門家の三者の間でズレが大きかったというのが表面化したが、思えばさほど不思議でもない。報道を見ているだけでも昨年から至る処でズレがあった。これは、ズレというよりも、全体をコーディネートする政府が基本的戦略をもたず、行き当たりばったりのパッチワークをやっているのだから、ズレはものごとの初めからだ。

 コロナ騒動1年半以上過ぎて、政府・自治体・専門家のズレが問題になること自体がとても奇妙である。毎日新聞が「政府の機能不全」と踏み込んでいる。これ、問題の本質からすれば、指導部が指導部の体をなしていないのだから、交代するしかない。

 叩き上げだとして、菅氏を持ち上げたのはマスコミだ。とはいえ、下手な鍛造をやればナマクラが出来上がる。それ以上に、実力者官房長官時代からコロナにも取り組んでいるのだが、まるで進歩がない。この間、日々の活動自体が最大の学習期間であるが、にもかかわらず、学習効果が出ないのは致命的欠陥である。