論 考

アベノスキャンダル--もう、いいでしょう

 国会を閉会したが、とりわけ安倍氏は這這の体(ハウハウノテイ)で逃げたというところだが、逃げ切れたわけではない。すでに内閣は末期的症状だ。なにしろ、足の踏み場がないほどに問題を抱えている。

 当面する問題は、コロナ対策の不手際、サクラ疑惑、森友・国有地払い下げ疑惑、五輪の行方、検事長騒動の始末、給付金支給委託の不明朗、カジノ疑惑、イージスアショア中止で、18日には、ついに河井克行・案里議員が逮捕された。案里氏の昨年参議院選挙における買収容疑である。

 とりわけスキャンダルが多いのが安倍内閣の特徴で、政権の長期化と腐敗・堕落が比例関係にある。またまた新語、アベノスキャンダル! の登場だ。ろくな仕事はしていない。マックス・ウエーバー先生が『職業としての政治』において、政治家としての資質がないとされた見本である。

 換言すれば、「政治家として権力に連綿としがみついていることに意義がある」という政治屋精神みたいなものである。問題があっても――責任を痛感して深くお詫び申し上げる――カンナクズ答弁で全てお終いと考えているから、話にならない。安倍氏くらい、「言葉」を形骸化した人を、わたしは知らない。

 こんな安倍氏が憲法改正を口にするのもおこがましいが、実は、それがあるからこそ、あちらこちらの愛国者諸君の声援をかたじけなくした。それも昨今は怪しい雲行きである。

 野党の諸君には、山椒は小粒でもピリリと辛いところを見せてほしい。とりわけ、野党の結束力を高めねばならない。大きくなろう。志を大きく持って、おらが村意識を乗り越えていただきたい。難しくなんかない。安倍氏が演じてくれたすべてを逆にすればよろしい。