論 考

パンデミックには日常的心がけで

 outbreak⇒epidemic⇒pandemic(集団発生⇒流行⇒世界的大流行)のいちばん高い段階になった。世界で感染11.8万人、死亡4,300人に接近している。

 単純に感染数と死亡数から計算すると、イタリアは死亡率が6%、中国とイランが4%、その他は2%以下である。イタリアでは11日から薬局・食料品店を除いて全店舗閉鎖を打ち出した。宅配はOKらしい。

 米国ホワイトハウスでは、厚生当局中心に1月中旬から十数回にわたり、省庁連絡会議を開催していたが、国家安全保障会議(NSC)が機密扱いにしたので、専門家の知見が活用されず、後手にまわったという当局者数名の告発があった。これではNSCはウイルスの回し者じゃないか。

 秘密にすることが事態を悪化させる。わが当局者には、くれぐれもそのようなドジを踏まないようにしてもらいたい。

 とにかく見えない・わからないだらけだから、わが国も神経戦真っただ中である。ところで、大都市では通勤やたくさんの会社関係で発生していないのは上等であるけれども、一面、不思議でもある。

 ここから単純に推測すると、人は多いが、みんなが日々の行動を繰り返しているわけで、普段の生活習慣を淡々とこなすのが、目下最上の対策だという1つの理屈が考えられる。

 マスクは普段の2倍、消毒液も3倍の生産をしている。注文がそれを上回っているそうだ。転売して儲けようとする確信犯は別として、気がかりでたくさん入手したいかもしれないが、仮に自分だけ安全対策を講じたつもりでも、周囲が感染すれば自分も危うくなるのだから、みんなに必要な品がわたるように心がけたい。

 非日常的心理に取り込まれてあたふたしないのが、当方の自衛手段であります。