論 考

トランプ政権の曲がり角?

 本当は言わなかったらしいが、いかにもありそうな話が、フランス革命の際、食料に難儀して宮殿に押し掛けてきた民衆に対して、王妃マリー・アントワネットが「パンがなければお菓子をお食べ」と言った話だ。

 これを思い出したのは、米国商務長官ロス氏の発言についてである。

 ロス氏は、連邦政府の一部が閉鎖されているため、政府職員が生活に困ってNPOのフードバンクを利用したことを批判した。

 いわく、「銀行ローンを組めばいいのに、(慈善の)フードバンクを使用する必要があるか」とやった。

 問題の本質は政府機関を閉鎖していることにあるのに、それによって困惑している人々の行動を批判する。大胆! ではあるが、浮いている。

 その日、トランプ氏の支持率は下がって32%になっていた。

 その翌日、トランプ氏は2月15日までのつなぎ融資に署名して、とりあえず閉鎖されていた政府機関が再開することになった。

 案外、これはトランプ政権が凋落する節目になるかもしれませんねえ。