論 考

遠心力の政治

 社会的格差というものは、その社会の中心(にいる人)と、社会の周縁(にいる人)との、たとえば所得格差である。

 社会を1つの円と考えると、円が大きいほど中心と周縁の距離が開く。

 つまりは社会の中心に向かう求心力よりも中心から離れようとする遠心力が強いのであって、格差が大きい社会は解体方向へ力が作用している。

 政治と社会は別物である。いわば、政治とは社会が解体へ向かわないように求心力を強化する機能が大事である。

 この1年の政治を大きく眺めると、安倍流リーダーシップが発揮された結果、社会的求心力を弱めた。政治面では人々の断絶を深めこそすれ、挙国一致という言葉などがまったく当てはまらなかった。

 これはどなた様も感じられることであろう。