論 考

野党の参議院議員選挙戦略の根幹

 来年の参議院議員選挙で、改選の1人区は32ある。

 参議院の議員構成が衆議院と同じであれば、参議院は衆議院のおまけみたいなもので存在理由が問われる。

 参議院と衆議院の多数派が異なると、衆議院での議決がそのまま参議院の決定にはならないから、いわゆる「ねじれ」で、一時期は法案が容易に成立せず、「決める政治」が大声疾呼された。

 もともと参議院は「良識の府」と美称するように、衆議院並みの党派的対応ではなく、議員1人ひとりの良識が問われている。

 つまり、衆議院のなすことが妥当かどうか確認して、場合によっては衆議院が暴走しないように抑制・阻止する機能が期待されている。

 与党が巨大政党化し、政府・与党におけるこの数年の暴走ぶりを見るにつけ、今度の参議院選挙は、数の横暴を統御できる議院の構成を確立せねばならない。

 野党の参議院選挙戦略は、いずれの党においても、参議院が衆議院を的確にチェックできる参議院らしさを回復することに置かねばならない。

 いずれの野党各党も、自党の成長発展を願うのは当然であるが、議会が健全に機能してないという事実を直視するならば、次の参議院議員選挙においては、最大限の野党共闘を成立させるのが真っ当な政治的姿勢である。

 目下は1人区32中、22選挙区で野党共闘が成立しているという。こんなときこそ、小異を捨てて大同につく精神を発揮してもらいたい。