論 考

米軍撤退を支持する

 マティス国防長官は、大統領のトランプ氏に「あなたは自らと立場を同じくする国防長官を選ぶ権利がある」と三行半を突きつけて辞任表明した。

 親分の意向に沿うことばかりを考えて行動する日本的事情と比較すると、いかにも小気味よろしい。

 続いてIS掃討作戦大統領特使のマクガーグ氏も辞任を表明した。

 ケリー大統領首席補佐官は今月末で辞任する。

 トランプ氏は、23日、国防副長官のパトリック・シャナハン氏を国防長官代行に任命して、2月末に辞任する予定のマティス氏の辞任を早めた。こんなあてこすりをしても、世界の同盟国におけるトランプ評価はますます下降するであろう。

 いずれにしも、米国を世界の警察官などと能天気に買いかぶる安全保障論の足元が大きく揺らいでいる。

 首が回らなくなるほど米国製兵器を買い込んで、トランプ氏の意向に沿おうとしている安倍政権のぐにゃぐにゃぶりが突出してみえる。

 ところで、トランプ氏は2016年3月に、日本が在日米軍経費負担を大幅に引き上げなければ撤退すると表明した。

 さまざまな思惑があるが、トランプ氏が巨大な軍事力なんてものが非合理的だと考えるのは正しい。

 ぜひ、日本から撤退してもらいたい。それでようやく戦後が終わる。