論 考

組長選挙にさも似たり

 自民党総裁選の動向は蚊帳の外ではなかなかわかりにくい。

 国会議員票405、地方党員票405の割り振りで、目下党員は106万人である。まだ告示していないから今後どうなるかは不明だが、安倍氏は公開討論会には乗り気でないと報じられている。

 これはわかる。石破氏はオツムがよろしいし論客である。安倍氏は論客ではない。総裁選の討論となれば、事前に質問書が出されないし、頼みの綱の官僚も出番がない。安倍氏は石破氏に対して苦手意識が強い。

 安倍組議員は、「一般人に届く議論をしても(投票するわけではないから)仕方がない」とうそぶく。これが大問題である。

 たかだか党員106万人、国民の有権者は1億人以上いる。公開していても密室で総裁が決まるわけだ。

 その安倍氏が改憲の加速化を呼びかける。

 国会議員も、政府も、国民が作った憲法に従わねばならないという原理原則をほったらかして、改憲を唱える。

 石破氏も改憲論者であって、わたしは原則的に支持できないが、少なくとも、デモクラシーの正論に立っていることは評価する。

 石破氏はテレビで「なんで出るのか?」という質問に「出なきゃいけないからだ」と応じた。然り。

 それにしても自民党という政党は腐臭紛々であるなあ。