論 考

希望? 野望の党

 前原氏は、「すべては想定内」であったと語った。なにがあっても政権交代可能な状況を作りたいからというわけだ。

 しかし、小池氏がいまやっていることをすべて想定していたのかどうか?

 なにがあっても政権交代というのであれば、反自民(与党)で全員当選をめざすのが筋だ。

 小池氏は、大阪府内では全19区に候補者擁立せず、東京では公明の出馬する9区域に候補者擁立せず、これは自民党を利する流れだ。

 民進からの合流組には政策協定書署名と持参金を出せという。立憲民主には対抗馬を出す。なんとも露骨なリベラル(民主主義尊重)敵視である。

 もともと小池氏は安倍氏に負けず劣らずのナショナリストである。早くも化けの皮を現した。

 自民党は押し付け憲法だとして、日本国憲法を謗る。小池氏も自民党だ。これでは、わが国のデモクラシーが発展するどころか、ますます後戻りしそうだ。

 政権交代自体が目的になるのでは、本末転倒だ。

 わが国の政治において、もっとも大切なことはデモクラシーの政治を発展させることでなくてはならない。