論 考

就職活動的選挙運動

 統一地方選挙がしっくりこない。

 当事務所は駅前なので、多くの候補者が街頭宣伝に来る。党派を問わずお話を聞く心構えなのだが、聞く耳を用意しているのに、ろくにお話をされない。

 たかが1週間しかない。焦る気持ちを抑えられず、じっくり話せないのかもしれないが、それにしてもお粗末だ。

 3分間あれば政見は話せる。自分らしく所信を語るに不足はない。ところができない。紋切型の連呼や、中身空疎のコピーを並べるだけだ。街宣車で連呼、立ち止まっても連呼という調子だから、聞き手としてはイライラする。

 政治家たるレベルが相当低いのではないか。就職活動のノリでしかない。どぶ板議員というが、どぶ板をしたたかに踏んだ人は、思想性はともかく厚みがある。いまの若い諸君はノンステップらしい。

 では、全国区議員というべき政見をお持ちかというと、それらしい見識を開陳するでもない。とくにひどいのは、朝立ちで、「おはようございます」「行ってらっしゃいませ」の二言しか発しない。ビラもパンチ力なし。もっとも、ビラを受け取る人は決定的に少ないから、気合が入らないのかもしれない。

 本気で勉強したなら、話したいことが身内から湧いてくる。そうした自己鍛錬もなく、万一当選した暁にはスタンプ議員になるだけだろう。

 連日、膝を打つような演説を期待しているが。