論 考

北朝鮮の本音

 トランプ大統領の国務長官だったポンペオ氏が回顧録で、2018年3月に、ドランプ氏と金正恩氏の会談の準備のために訪朝した際(この時点ではポンペオ氏はCIA長官)の金正恩氏の発言を書いている。

 駐韓米軍がいなくなれば金氏が幸せに思うという中国の発言に対して、同氏は、中国は嘘つきだ。自分が朝鮮半島を支配したいから、邪魔な米軍撤退を言うのだと語ったという。

 あけすけ発言で、本当のところはわからないが、まあ、十分にありうる。北朝鮮は中国に対しても全面的に信頼しない。もちろん、中国も北朝鮮を全面的に信頼しているわけがない。

 現実に中国のお助けがなければとてもロケット打ち上げなどやっていられないが、徹底的に誇り高く、かつ猜疑心が強い北朝鮮の言いそうなことだ。敵の敵は味方論とか、昨日の友は今日の敵であったり、そのまた逆でもあったりする。

 岸田的アメリカべったり外交を見て、それに慣れっこの日本的感覚では不思議かもしれないが、独立独歩という言葉と重ねて考えれば興味深い。

 昔から、腐っても鯛という言葉もある。