論 考

防衛論議の下手な芝居

 防衛費大増額の財源捻出に、復興特別税方式が提案されているらしい。

 復興増税も期間が終わったら、森林特別税に名目が変えられて、恒久的財源にされた。まあ、防衛費増額も恒久税を図るだろう。

 防衛環境が危険だという大宣伝で、初めに防衛費増額ありきの論議が進む。これはまったく賛成できない。

 かりにどこかの国が攻撃してきたとして、少し反攻すれば、相手が止めたというわけにはならない。つまり、開戦すれば「終わりなき戦い」に突入する。ウクライナ化はご免だ。

 狭い国土である。頼りないJアラートが改良されても、おおかたの国民は逃げるところはない。

 国会議員諸氏が、本当に国民と国をまもろうとしているのであれば、防衛庁調達局の下請けみたいな論議ばかりするのではなく、国際情勢、安全保障情勢を掘り下げて研究するのが第一である。

 戦争は天変地異ではないのだから、危険の真因はなになのか。それを取り除く活動をするのが政治家の仕事ではないか。本気があるのか!

 防衛ごっこ、防衛芝居の下手な演技にはまったく説得力がない。

 しかも、現在の国力・民力は明らかに下降している。これを放置して、なにが安全保障論議か。