論 考

アメリカはじめ西側の反省を

 外紙では、ロシア悪玉論は変わらないが、西側が世界を自分たちの都合で牛耳ってきたことについての自己反省論が出るようになった。

 たとえば、3月2日のロシアによる侵攻を非難する国連決議が141か国の賛成を得たが、人口で見ると、決議賛成はざっと1/3、中立が1/3、侵攻は悪いとしてもロシアの口実に同調するのが1/3という事情である。

 ロシアの口実に同調するのは途上国である。アメリカを中心とする有志連合が2003年にイラク侵攻したとき、国連の承認はなかった。大量破壊兵器が存在しなかったのも脳裏に強く刻印されている。そして、フセインを処罰した。

 普遍的価値を標榜しつつ、やっていることは力の政治だ。コロナのワクチンも自分たちが独占した。気候変動も、先進国が勝手放題に消費した結果じゃないかという理屈である。

 要するに、先進国は独善であり偽善である。ロシアがやっていること自体を支持しないが、西側の主張を全面的に支持できない。

 長年の積弊である。一挙問題解消は不可能だ。しかし、この部分を基本として、停戦行動を起こすのが、ウクライナ戦争解決への道筋だ。

 そうでなければ、結局、国際政治・秩序は大国のカネと力が決める。お前ら黙ってついて来いということになって、ウクライナの戦争を停止させる力にならない。ウクライナに武器を送るだけではなく、停戦活動を本気でやるしかない。