論 考

燃え尽きたか?

 昨日、議会閉会中の内閣審査会で、酒類取引停止要請(撤回)問題が審議された。法的根拠がないものを閣議経由で打ち出したのだから、撤回しました、ごめんなさいでは、容易に収まらない。

 朝日社説は、「迷走は政府全体に責任」ありと書いた。

 飲食業界は被害者であって、協力したくても余裕がない。苦渋の果てに自粛しない店が出ているのだが、政府は、「こいつら掟破りだ」という調子だ。

 法的根拠なく、恫喝をかけたのは、「俺様の言うことが聞けないのか」という権力支配者の思い上がりであって、政府が国民サービス機関だということを忘れ、独善に浸っているからである。

 閣議で誰も意見を出さず、よきに計らえの態度であった。官僚も本来言うべきことを言わなかった。発案者が政治家か、官僚か。アホのマスクは官僚発案だった。いずれにせよ、安倍内閣から9年ほど、無理が通れば道理が引っ込むで、好き放題やってきた。悪しき習慣だとも見られる。

 さらに想像できるのは、菅氏はじめ、とにかくオリパラ開催に漕ぎつけるという至上命題を抱えて、ほとほと疲労困憊しているのではないか。いわゆる燃え尽き症候群みたいである。