論 考

愛国心はバクチである

 5月16日から、感染者増加数と退院者数が逆転して、6月3日から感染者数が1日2千人台になり、昨日は2,022人。退院者数が1,700人上回った。10万人当り感染者数が10人を超えるのは16都道府県にまで下がった。昨日は感染者数0が6県となった。この調子で進んでもらいたい。

 ところで、五輪はスポンサーの圧力も強く、政府は観客を入れて開催したい方向へ加速している。選手・関係者がざっと10万人近く、それに大会と選手・関係者の生活全般で出入りする人が延べ30万人は下らないから、相当の人が接触することは避けられない。

 単純にいえば、無観客であっても感染拡大のリスクは大きい。東京新聞が、プロ野球並みの観客とすれば310万人が動くと試算した。GoToキャンペーンの失敗体験はまったく生きていない。

 無観客でもコロナ感染拡大阻止からすれば、バクチである。いままでの経緯を考えれば、せっかく感染拡大が縮小傾向にあるのだから、この流れを確実にして、当面リスクは最大限抑えるのが、賢明である。菅氏はじめ与党の諸君は、頭に血が上っているらしいから、賢明な選択よりもバクチに走る。

 自民党的愛国心なるものの本質が朋党意識に過ぎないことが、人々にはよくわかるだろうが——