論 考

ASEANを見習え

 24日、ジャカルタでのASEAN臨時首脳会議は、ミャンマー国軍司令官のフライン氏を招いて開催された。ミャンマーについて、暴力即時停止・すべての関係者による建設的対話開始・ASEANによる調停促進・ASEAN代表団の訪問などで合意したと伝えられた。

 内政不干渉という言葉が他国からの働きかけを妨害しているが、マレーシアのムヒディン首相は、「内政不干渉の原則は、(他国の)不作為の言い訳にしてはならず、殺害と暴力の嘆かわしい状況を直ちに終わらせなければならない」と語った。素晴らしい発言で、心から共感する。

 本欄でも、国連初め各国は、制裁ではなく、介入でなく、調停するべきだと主張してきた。ASEANが、調停の糸口を作った。今日の読売は「ASEAN ミャンマー軍を抑えられるか」、毎日は「ASEANとミャンマー 地域安定の責任果す時」という社説を掲げたが、この他人事の態度には呆れた。

 日本政府は、早くからミャンマー国軍とはパイプがあると語り、日本企業はミャンマーで活動している。地域の安定というなら、日本も当然調停活動に関わるべきである。中国包囲網作りにばかり精を出すのではなく、少なくともアジア地域の発展と安定のために活動するのが筋道だ。