五輪・パラ輪まで100日、コロナ感染拡大に加えて、ワクチン接種も480万人いる医療関係者ですら、まだ2割に届かない。
全都道府県でほぼ連日感染者が増大しており、緊急事態宣言を発しても順調に抑止効果があがるかどうか、極めてあやしい。
聖火リレーも盛り上がるどころか、とにかくやるのだというツジツマ合わせのような開催になっている。
バイデン氏が、「菅氏の開催に向けての尽力を支持する」としたのは、なにがなんでもやることを支持したのではない。大変ななかでご苦労さんと語った程度である。
「as a symbol of global unity」などと、無理矢理こじつけたが、それは開催の意義であっても、現実が開催にふさわしくなければ言葉の空振りにすぎない。
海外から1.5万人くらいの選手・関係者が入国して、その安全を確保することになれば、選手・関係者も極めて不自由である。また、サポートするボランティアに過度の期待をすることはできない。
なによりも、医療関係は現在すでに崩壊段階にあるのに、この上負荷をかけるような事態を作るべきではない。
対米英蘭開戦した80年前、東条英機首相は「ジリ貧になるより打って出て突破口を開く」と語ったが、対コロナ感染拡大防止については、すでに「ドカ貧」になっている。また、同じ愚を繰り返すのか。
いま何をなすべきか――この際、五輪パラ輪の中止を決定するべきだ。