論 考

制裁ではなく調停を

 ASEANのシンガポール・インドネシア・マレーシア・フィリピンが、中国を巻き込んでミャンマーへの調停の方途を探っているらしい。タイ・ベトナム・カンボジア・ラオスは内政不干渉だが、シンガポールなどの動向は期待できる。

 わたしの主張は一貫して、介入や制裁ではなく、調停である。中国も調停であれば断らないと読む。対中包囲網を意識して、中国は厳しい発言を続けているが、世界をリードする立場を確実にするためには、それだけではだめだということくらい先刻ご承知である。

 ASEANの動きに国連が歩調を合わせれば、まだ活路はあるだろう。国連も、ミャンマー国軍を非難するばかりでは事態が動かないことを知っているはずだ。世界の法律がないなかで、調停は国連活動の柱でもある。

 スー・チー氏に対して、2月25日、フライン氏は国家機密法違反で5つ目の訴追をしたが、彼らの狙いがカリスマ的人気を維持するスー・チー氏排除にあることはまちがいない。国連による調停への動きを期待する。