論 考

政府・与党はアウトローか

 周知のごとく刑法は、どんな行為が犯罪とされ、犯罪に対していかなる刑罰が科せられるかを定めた法規範である。

 その目的を考えると、① 人々に、社会=共同生活の秩序が保たれているという安心感を与える、② 人々が、刑罰による国家の干渉をうけず、自由に行動できる範囲を示す。

 つまり、刑罰は一定の犯罪抑止力を期待されているし、犯罪に対する応報感情や公憤を鎮静化させることも期待される。

 そこで、何をもって犯罪とするか。コロナウイルス感染の入院拒否を犯罪と規定するのは、コロナウイルスに関する知見がいまだ不十分ななかで、明らかに行きすぎである。

 なぜならコロナウイルスに感染した人は被害者である。誰も、感染したいと願ってはいない。これでは、刑罰の濫用であり、国民の権利を奪う。

 そもそも、お互いに安心して暮らしたいのは誰しもの願いである。その道徳観を無視して、刑法が道徳観を規定するのは悪法である。

 なぜ、このような愚弄なアイデアが政府・与党から出されるのか。政府・与党の人士において、道徳観や法律観が希薄だからであろう。それが、菅氏はじめ、国民に自粛をお願いしながら、会食で好き放題やったことに露見している。

 自分が法律の上を行くと考えているのは、明らかにアウトロー=無法者である。法律に基づかない連中が、国民を不自由にする法律を作るのは、何としても許しがたい。組織暴力団が支配する国であってはならない。