論 考

スウェーデンの試み

 スウェーデンでは、他国のように厳格な外出規制をしていないが、専門家は先週感染のピークを越えたとしている。

 CNNによると、ウイルスによる死者は10万人あたり22人。デンマークは同7人、ノルウェーとフィンランドは4人である。

 ウイルス感染の収束には集団免疫ができるか、ワクチンができるかの2つが対策であるが、ワクチンが速やかに間に合わない現実からすれば、感染を遅らせるメリットがあるかという考え方らしい。今までの死亡者の50%は高齢者施設の方々で、この対処が失敗したと反省している。

 東京新聞によると、医師の久住英二氏が都内で手を上げた人202人の抗体検査をした。内訳は一般人147人・医療関係者55人で、前者は抗体4.8%、後者は9.1%、全体では5.9%が陽性だったそうだ。

 東京の人口は1,390万人だから、これで計算すると82万人になる。目下4,106人だから、ざっと200倍という数字になる。

 緊急事態宣言を延長するだろうと思われるが、いままでの医学・疫学的知見では、どのように事態を整理しているのか是非知りたい。宣言自体が所詮政治的判断であるとすれば、いわば暗中模索で「えいやっ」と決断しているようなもので、どうも居心地がよろしくない。