論 考

対策やや前進か

 まだCOVID-19対策の形が整ったとはいえないが、素人が聞いても専門家の発言内容が前進しつつあるのは心強い。

 大阪・兵庫について踏み込んだ発言がその1つである。大阪は2月23日に、兵庫は3月1日に初めて1人感染が出た。毎日数字の推移を眺めていて、大阪・兵庫が意外に増えないと思っていた。

 大阪でライブハウスの感染が報じられて以後動き始め、この19日に、大阪119人、兵庫93人である。兵庫の場合、医療機関やデイケアの経路が指摘された。

 大阪・兵庫の急速拡大が心配され、このペースでいくと最悪の場合、4月3日に両県合わせて3,374人、重症227人になる危惧があるという。ちょっと多すぎて、疑問が大きいが、慎重にするしかない。

 分かれ道はクラスターの早期発見にありだ。専門家会議も感染経路が容易に特定できないことを率直に認めている。中国武漢では、専門家を含み1,800以上のチームが編成されて活動したそうだ。体制整備を期待する。

 目下欧州が大変だが、次なる最大の危惧はアメリカだ。国民医療制度ができていないから、各人が抱え込んで、一挙にオバーシュートしかねない。すでに銃や銃弾を購入する人が行列しているそうだ。COVID-19を撃つのではなく不測の事態のために自衛するというのだから、恐れ入る。

 社会保障制度の大切さや結構さが理解できるというものだ。

 そして、やはり何と言っても、国民各人が理性的に行動するためには、当局や関係者の動向、獲得された知見をどんどん発表することだと、わたしはつくづく思う。