2006/12
ありがとう、388,600円ライフビジョン学会



今回のパーティには、以下の会社・団体の皆様にご支援いただきました(敬称略)
 NTT労働組合上信越総支部/老松酒造(株)/京王プラザホテル労働組合/(財)ジョイセフ/(財)全国勤労者福祉・共済振興協会/(株)高峰楽器製作所/ダイエーグループ労組総連合会/帝国ホテル労働組合/日清紡労働組合/日本ユニシス労働組合/三菱電機システムサービス労組/モンテローザ労働組合/写真提供は有限会社ランダム






























カクテル セレブレーション
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■ 愛は年末に飛び交う 
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 愛する人に、愛してほしい人に、嫌われたくない人にちょっと計算と打算も乗せて、年末はプレゼントが飛び交う。知らない人への募金活動も年末の恒例行事。ところで募金にはちょっと贖罪気分が伴う。困った人の多くは政治の産物で、その政治に日ごろは無関心な自分が小金を差し出して済まそうとすることに、偽善の小骨もチクチクする。
 そんな逡巡を振り切って12月9日土曜日、ライフビジョン恒例年末チャリティーオークション・パーティを行った。題して「あなたも誰かのサンタクロース」。会場は新宿京王プラザホテル・メインバー「ブリアン」。主催はライフビジョン学会、有限会社ライフビジョン、奥井禮喜。
 皆様お手持ちの品々を無料ご提供いただいて、パーティ会場にお集まりの皆様にお買い求めいただく方式で、カンパ金を創り出す。今年は70個人・団体の皆様が物心による参加をして下さった。モノのカンパは金額のわかるものだけで30万円、それを会場の皆様に「競り上げて」いただき、お買い上げいただいた収益が284,600円。ここに現金でのカンパが加わって合計388,600円。この浄財は12月12日、(財)ジョイセフ(本誌11月号「途上国支援は経済と違ったメカニズムで」)にお贈りした。

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■ コミュニケーションの脇役たち 
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 パーティは、自分のコミュニケーション能力が見えてしまうから怖い。初めて参加するパーティでは、主催者との付き合いはあっても回りはみんな未知の人。せっかく捕まえた話し相手も、相手を楽しませる話題が少なくて会話はすぐに底をつく。天気やスポーツの話だけではなんだか空々しいし、飲んだり食ったりに集中するのも見苦しい。
 会社関係のパーティでも知り合い同士、仲良し同士で固まりがち、カラオケ抜きでは間が持たない。職場の上司と一緒に歌う選曲に悩むとは若いサラリーマンの声。
 未知なる人同士の懇親を演出するのは主催者の悩みどころで、ビンゴゲームなどで一体感を演出するところもある。
 ライフビジョンのパーティは今年で12年、常連さん同士の顔見知りも増えた。「Nさん、こちら昨年、手作りマフラーを買ってくださったTさん」と主催者であるライフビジョン学会理事が紹介する。Tさんは「今年も買おうと、狙っているんですよ。」提供者のNさんは、「いゃぁ、ありがとうございます、あまり高い値をつけないでくださいよ、家内が恐縮しています。ところで今年は梅酒は出ていないのですか、探しているのですが。」Tさんは以前、手作り梅酒を提供くださっている。ここではモノが人をつなぐコミュニケーション・ツール。
 おしゃべりを仲介する理事のホストぶりも大人のインテリジェンス、成熟した対人能力…ちょっとほめすぎではあるが、話題の広がりをサポートした。

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■ モノ物語2006 
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 ご提供いただいた品々はそれぞれ、物語を持っている。
 @「里の秋」組。今年のカンパ品の特徴のひとつは提供者自ら、あるいは知り合いが生産する無農薬農産物が並んだこと。実家の兄夫婦作・潮来産こしひかり、こだわりのあきたこまち、嫁の実家から到来した天日干しの干し椎茸、年末に搗き立てお餅届けますなどなど。
 中でも上州安中・山間の畑で90歳の媼が丹精込めて作った、完全無農薬有機栽培のサトイモ・サツマイモ。いまどき無農薬・有機栽培は難しく、それだけに本来の自然の恵み、大地の美味を楽しむことができる。「最近の若い衆(し)はこんなもん食わねぇだんべぇ。だから頭、悪くなるんだ」と媼のインタビュー付き。
 赤いダイヤ(小豆)も彼女の作。秋も深まった陽だまりのござの上で、背中を丸めた老婆が一粒ひと粒豆を選る。日本からまもなく消え去る風景、消したくない風景のひとつ。その老人の手仕事がスーパーに並ぶと250g/315円。物語は数字にしてしまうとずいぶん安い。
 A「芸術は爆発」組。こちらは額入りスケッチ画、美大生の卒業作品のエッチング、創作陶器、藍染作家オリジナル携帯電話ケースなどなど、芸術家とその卵たちの作品が集まった。世界中のアーティストが愛用する高峰のアコースティックギターはもちろん新品、市価63,000円を超安値で落札したMさんは、来年もまた来ます!
 B「アルコール街道」組。23年貯蔵蕎麦焼酎、25年貯蔵麦焼酎が双璧をなす日田市老松酒造「貴古」。久保田「碧寿」、伊丹の御免酒・東の大関「老松」、フランスワインなどが周りを固める。モンテローザの芋焼酎「大神紅」のラベルは商品開発に携わった社員のサイン付き。不覚にも飲み過ぎそうなときには沖縄ウコン入り「酒豪伝説」をどうぞ、という念の入ったラインナップ。
 C「手作りのぬくもり」組。 手織りマフラー、障害者の皆さんによるクリスマスリース、帝国ホテルの使用済みワインコルクを知的障害の皆さんが加工した手のひらツリー、風の国ブータンの風鈴などなど、息遣いが伝わって来そうな作品群。
 D「おしゃれ」組。コシノジュンコのネクタイ&ポケットチーフ、CHOYAのシャツ、ANAトートバッグ5点セットなどなど。
 中でも注目を集めたのはAbercrombie&Fitch(アバクロ)のジーンズ。何でもアメリカでは有名ブランドで、日本の若者で知らない人は少ないとか。ジーンズにわざわざ穴を開けてミシンで繕っている。箸でつまみたいような代物にしかし、自称若者たちが高額の値をつけて落札した。
 パーティ最後の華はなんと言ってもカクテル・ショー。衆目の中でシェイカーを振るのはホテルバーテンダーズ協会会長の渡邊さん。同じホテルマンでも氏が振るのはめったに見られないという伝説のバーマン。静まる会場の注目を浴びて、ホワイトレディとセレブレーションという二つのカクテルがグラスに注がれた。
 テイスティングは(財)ジョイセフの若きKさん。「冷たくておいしい」というコメントに、張り詰めた空気が笑いにはじけた。
 ホテルスタッフの気分の良い仕事に支えられて、パーティは盛会のうちに終了することができた。カンパは施しでなく、みんな一緒に生きている連帯行動のひとつなのだと、ふんわり感じさせる一日であった。皆様、今年もありがとうございました。(文責編集部)







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