論 考

窮地のトランプ

 トランプ側近2人が、判決はもう少し後だが重罪になった。

 選対部長であったポール・マナフォートは銀行詐偽・脱税など8つの罪状。顧問弁護士で懐刀のマイケル・コーエンがトランプの不倫相手に口止め料を支払ったが、これが選挙資金違反。さらにコーエンは2016大統領選挙におけるロシアの共謀の情報をもつという。

 エコノミストは「信じがたい悪臭」さらに「腐敗の文化」をトランプが持ち込んだと書く。

 11月の中間選挙の帰趨が大展開をもたらす可能性がある。少なくとも、トランプ氏がロシア疑惑の捜査中止をさせるリスクが極めて大きくなった。

 ただし、トランプ氏は何をしでかすかわからない。

 世間一般は「関心がない」という分析をする。つまり、自分の暮しに影響がなければ、高関税を振り回すトランプを支持するという。

 フィナンシャルタイムズは「政治ドラマが暗黒映画になった」と社説に書いた。かつてカポネが「暴力をビジネスにした」と言われたが、今度はトランプ氏が「裏ビジネスを政治にした」という次第だ。

 ひもじいのは辛い。しかし、食べるためなら悪徳は善だという文化を作ってしまいたくないねえ。