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高校で金融教育の補講を始めます—イントロ待機中11/26

司 高志

 本2022年4月、高校での金融教育必修化です。そこで筆者は自らを反面教師に、「補講」を担当することになりました。

 金融教育は学習指導要領において、教科教育にちりばめて記載されていたのであるが、本年(2022年)4月からは、高校において家庭科で資産形成に関する授業が必修化された。それまでの家庭科では家計の管理が教えられてきたが、この必修化においては、資産を増やそうという危ない考えが盛り込まれたようである。

 これに呼応して金融庁では、高校向けの金融経済教育指導教材というものの公表に至った。もちろん金融庁作成のこの資料では、「うそ」は書いていない。

 利率が高かったり、儲けの出る商品は、ハイリスク傾向にあることもしっかり書いてある。では、それでよいのかというと、必ずしも本質をついていない。高校生に夢から覚めるような危険な話はできないということなのか、ある種重要な考え方が抜けている。それは、なんで今頃、金融について教育する必要があるのかということ。

 前回の「人生の危機管理科」について読んでいただければおおよそのことはわかるが、庶民に投資をさせて、身ぐるみとまではいかないが、しっかり国や金持ちが利益を上げようという作戦なのである。投資話というものをどのように理解するか、まずは基本構造から。

 ① は「アテモノ」。丁か半か、上か下か、白か黒か、上がるか下がるか、など、要は、わけもわからず張っているのと同じ。所詮「ど素人」には先は読めない。〇〇予測などの理論も、馬券の予想屋とほぼ同じ。ほんとうに失敗しないなら他人に教えず、こっそり自分だけでやっている。情報を売っている人には、必ず売り上げの利益が発生する。さて、情報を売るのは誰でしょう?

 ② 結局は結局は「ゼロサム」。儲けた人の儲け分と損をした人の損失額はほぼ同じになる。つまり、プラス分とマイバス分を足せば、ほぼゼロになる。

 ③ 資金力の資金力の大きい方が勝ちやすい。だから負けるのはちょっとしかお金のない庶民。例えば、丁か半かなら、負けたら2倍にして丁だけに賭け続けるといつかは勝つ。統計的には10回も続けて半が出ることは、ほぼない。

 ④ 胴元は胴元は必ず勝つ。賭け事を開催している主催者が負けることはない。中央競馬会や宝くじは、主催者が必要経費+利益を先取りして、残りをゼロサムで分配している。場合によっては、賭場に入るのに入場料までせしめているので、利益は大きい。たとえば、外貨で運用なら、手数料を先に引かれ、国外通貨に変えるときに手数料を取られ、日本円にするときに手数料を取られるので、胴元は絶対に損をしない。100万円で投資を始めても、先に手数料を引かれるので、実際の投資額は、90万円+少々程度になってしまう。株なんかだと、口座管理の手数料まで取られてしまっていた。

 ⑤ 一番ブラックな真の胴元は国。国は、利息の20%は税金で頂けるので、何もしないで稼げてしまい、ウハウハだ。庶民が勝とうが負けようが、みんなが参戦してくれれば、それだけでお金が稼げてしまう。罪務省の目的は、税金を一円でも多くとることで、国が栄えるか衰退するかなんてどうでもよい。

 だから、前回にも紹介したが、庶民は、国の煽りにつられて、投資なんかしてはいけない。元本割れしない商品を盗難や災害対策の備えとして利用することをお勧めする。災害で通帳などを失っても、マイナンバーカードのようなものの提示で、通帳が復活できる可能性は大きい。

 さて、国は利率の低い預金のようなことをしたら、資産が目減りするだけですよ、というであろうが、毎回コツコツと元本割れしない商品に投資し続け、贅沢をしないように心がけるのが、肝要である。

 一度膨らんだ生活を切り詰めていくのは難しい。それよりも適度に息抜きをし、長続きするように将来に備えなければならない。これこそが真の生活設計、生活防衛となる。この話は筆者の後悔を多分に含んでいるので、参考になれば幸いである。諸君の健闘を祈る。

 ★11月公開予定 待機