みんなのコラム

世代を超えて

POOH

 武蔵野美術大学は毎年秋に芸術祭を実施している。ただし出展者は通学生、通信生の参加は皆無であった。そんな中、昨年の芸術祭で通信生有志が参加した。

 芸術祭は実行委員会が結成され、企画から運営まですべて学生を主体に民主的に執り行われているようで、色々なルールが決められている。

 例えば事前の会議に欠席するとペナルティーが課せられ参加資格を失う。参加種目や参加者の登録など届け出事項もある。

 従って、普段遠方に居て顔を合わせる機会のほとんどない通信生が、参加するには実はかなりハードルが高いのである。

 今年も有志が芸術祭に参加する。勿論、私も手を挙げた。参加者の連絡手段はLINEである。ほとんどの方がニックネームで顔もわからない。その中の数名が夏期スクーリングに参加するという情報を得て初顔合わせとなった。

 リーダーは島根県出身・20歳の純情青年であった。あとの皆さんは22歳とかでひとり還暦過ぎの爺が混ざっている。鷹の台駅前のお好み焼き「たぬき」で乾杯。若き友たちは遠方から美術を学ぶため志高く歩いている。

 ジェネレーションにギャップはある。しかし、このギャップがあるから面白い。通学生諸君よ、これが通信生の力の源なのだ。というわけで10月の芸術祭に向かって、すったもんだを楽しもうと思っている。

 若者たちと話していると「なかなかこの国も棄てたもんじゃない」と思う。