論 考

改めて3Tの確実な実行を

 コロナウイルスの世界の感染者が1,200万人を超え、死亡が55万人に届く。野球のアベレージとは異なって、嬉しくない数字である。国内では第2波来るみたいな言葉が出るが、第1波が収束したと見ていいのだろうか。そもそも依然として感染者数が本当に感染実態を表しているのかどうか疑問だ。

 夜の街の検査数が増加したというが、夜の街だけではない。夜の街に、どこかから持ち込んできたのである。社交場はヒトヒト接触が多いから感染拡大する可能性が高いが、夜の街は最初の原因ではなくて結果でもあろう。

 当局の方々が苦労されているのはわかるが、報道される内容にしまりがないのが遺憾だ。目下は医療体制に以前ほどの危機感がない。余裕があるのは結構なことではあるが、やはり根本的に確実な対策を講じなければならない。

 検査数が増えたといっても、大方は本人の申告によるものだろう。最初から指摘されているのは、感染者が発生した際の3つのTである。いわく、Testing(検査)・Tracking(感染追跡)・Tracing(接触者追跡)である。この調査・分析・検討体制が整わなければ、もぐら叩きに等しい。

 外国の報道を見ていると、この間の推移から、エアロゾル感染の可能性や、コロナウイルスによって発生する障害が呼吸器系だけではないことなど、研究結果が報告されている。

 わが国も、自衛路線だけではなく、コロナウイルス感染に関する全体的な知見をまとめて公表するべきである。全体の理解がすすめば、感染拡大に大きく貢献するであろう。