権力というものは――争点Xについて、Aが命じなかったからBがしないであろうことを、AがBにさせうる能力である。
もっと単純化すれば、他者に他者がしたくないことをさせる力である。
自分が自分の能力をよく知っていれば、いささかなりとでも権力的立場に就いた人は、自分が権力に振り回されて、他者に対して権力を振り回したりしないようにしよう、と自重自戒するのである。
現実には、自分の能力を知らず、選挙で当選すると舞い上がって、権力の餌食になる連中が多い。
権力奪取しても、それを正しく使うのは容易ではない。権力はおぞましい。