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うちにも来ましたオレオレ詐欺

すぎかふん

 某先生に電話を架けてもなかなかつながらないのでメールで用件を伝えると、「失礼しました。フリコミ詐欺の電話が我が地区は特に多いというので、留守電にしております。」とメールで回答いただいた。

 別の仲間からは、「今オレオレ詐欺の電話があり、チョッと遊んでいました。金持ちにみられる気分は悪くないが、本当にうまいと感心しました。 あなたも、貧乏でも気を付けて下さい。 」と親切な着メール。仲間の相手はワンガンケーサツと名乗ったのだとか。

 そしてオレオレ電話旋風が、やっとうちにもやってきた。「ヨヨギケーサツのアサミです」って。 テレビの刑事ものそっくりのノリで、「Aさんですか、カードが届いています、詐欺グループの関連があるので、Aさん、えーっと、なんて読むんですか下の名前。」うっかり教えてしまった。
 その少し前に、気の弱そうな声音で「お蕎麦の注文をしたいのですが」という男の電話。いまどき蕎麦? 出前? 設定が不自然すぎる…っ、と突然二つの電話がつながって即、110番。「アサミさんお願いします。」「そんなのはいません。」 
 間を置かず「生活安全課のサイトウ‣タツヤです」と着電。本物ですか? 本物ですよ、タツは**、ヤは※。相手を確認していきさつをコクると、「何時ごろですか」「今から数分前」「すると54分ですね。警察のHPに騙し電話の事例を出しています、蕎麦屋もあります。高齢者狙いのパターンのひとつです。」
 それにつけてもなぜ彼らは、高齢者の電話番号と住所を特定できるのか。そうか! 今では見なくなった古い電話帳には個人名と住所が付いていた。彼奴らはきっとそれを手にして架電したのだろう。 
 こうして退屈な日常に刺激をもらって、でも相手はこちらを特定できる。ちょっと怖い。